呉市豊町にて、愛媛県産大島石、1尺5重台のお墓を建立。傾斜地でも耐久性が高く美しい、間知石の石積み

三原市・竹原市を中心にお墓のお仕事をさせていただいております、安芸石材の倉橋です。呉市豊町にて、間知石の石積みのお墓を建立させていただきましたので、ご紹介いたします!

 

呉市豊町 新規墓石

 

知人からの依頼でお墓の建立をさせていただきました。豊町は、呉市の大崎下島にあり、三原市にある弊社から車で1時間半ほどのところです。

お墓については、国産の石を使い、建てる場所が傾斜地なので、それに合わせた石積みのお墓がいいとご希望でした。国産の石ということでしたので、国内産の石の中でも品質も最高級の愛媛県産大島石をご提案しました。大島石は、石目や色合いがとても美しく、耐久性もとても高い石です。その分高価ではありますが、国内最高級として知られる香川県産の庵治石に比べると求めやすいため、高品質な国内産の石をご希望の場合にはまずおすすめする石です。ご希望を伺って、まずはお墓の図面をご提案しました。その後、ご希望を受けて入り口の位置を調整し、建立をお任せいただきました。

 

こちらがお墓を建てる場所です。印の場所にお墓を建立します。かなりの傾斜地であることも分かりますが、実は、ここには木がたくさん生えていました。ですのでまずはそれを伐採して、土地を切り拓くところから行いました。

 

伐採が済んだら、ユンボを入れて、基礎を打つ場所を掘削していきます。木材と、それを繋ぐ黄色い糸で敷地を囲んでいます。私どもでは「丁張り」(ちょうはり)といって、建物の高さや配置などを設定するものです。

 

掘削したところに、コンクリートの基礎を打ちました。お墓の土台の石積み部分の基礎です。

 

基礎の上に石積みを始めました。木材と木材の間に張られた黄色い糸は、石積みの高さの基準になるものです。水平に張って、間知石(けんちいし:石積みの石)を据えていきます。

 

2段目まで石積みが終わりました。間知石の石積みは、単に石を積むだけでなく、据えたあとに裏側にコンクリートを流し込んで固めています。そのため耐久性も高く、見た目もとてもきれいに仕上がります。特にこうした傾斜地では、強度を保ちながらも見た目もきれいに仕上がる間知石の石積みは、ぴったりの方法と言えます。

 

石積みを3段まで積み終わったら、その上に巻き石を据えました。間知石一つの寸法は、幅40cm、高さ30cmほどなので、写真奥の一番高いところでは巻き石も含めて90cm以上あり、手前の入り口側は30cmほどですから、かなりの傾斜であることが分かると思います。間知石の石積みは、こんな急角度の場所でも、このようにきれいに仕上げることができます。

内部には、お墓の納骨室を兼ねた、頑丈な基礎を打ちました。型枠を組んでコンクリートを流し込んで施工した、かなり頑丈な基礎です。

 

周りは真砂土を入れて転圧し、土を締めていきます。

 

基礎の上に、お墓の一番下の一枚台を設置しました。四つの石を組み合わせた四ツ石と違って、一枚台は地震などの揺れに強く、長い将来も安心です。

 

その一枚台の上に、大台を据えています。重量のある石です。

 

大台の上に上台、丸座布団、角座布団の上に棹石を据え付け、お花立や供物台、墓誌を据えたらお墓が完成します。

石積みの周りには、このように木枠を組んで「犬走り」を施工します。施工することで、お墓の周りに草が生えないだけでなく、傾斜地で周りの土が流れることを防ぎます。人が通れるくらいの十分な幅のある犬走りなので、お参りの際にここを通ることもできます。

 

完成しました!

今回お墓の周りは、草が生えにくくなる固まる土で仕上げました。周りに木がたくさんある場所でしたので季節によっては落ち葉も多くなりますが、玉砂利で仕上げると砂利の間に落ち葉が入ってお掃除が大変になります。この固まる土であれば、ほうきで落ち葉を掃いたりすることもできますので、後々の管理のことを考えて施工しました。

 

愛媛県産大島石、1尺5重台の堂々とした和型墓石です。上台の上部と角座布団の下の部分は、角を尖らせる「剣出し(けんだし)」加工で、とても高級感があります。

お線香・蝋燭立てはガラス扉付きで、風の強い日も火を絶やさずにお参りすることができ、最近は人気があります。右手には、自然石の物置石兼腰掛けを設置しました。

 

間知石の石積みも、とてもきれいに仕上がりました。こうして見れも、かなりの傾斜であることが分かりますね。犬走りは土の部分よりも高く施工していて耐久性があり、この犬走りがあることで石積みの強度も上がります。また、コンクリートの角の部分は抑えて、角が欠けにくいように仕上げています。

 

階段の踏み込み部分、お墓手前の拝石の表面は、滑りにくいようビシャン仕上げにしています。雨で濡れるとすべりやすくなり、転倒の危険もありますので、ビシャン仕上げで表面をギザギザした質感に仕上げることで、滑りにくくしています。外階段の形状も、安全を考えて丸い形にしました。

 

現地はこんな見晴らしの良いところでした。瀬戸内海の島々がとてもきれいです。お客様には「立派なお墓ができた!」と大変喜んでいただけました。おすすめした大島石の美しさも、とても気に入っていただくことができました。

今回の現場 大崎下島の豊町は、三原市にある弊社からは車で1時間半ほどのところでした。大崎下島は、「安芸灘とびしま海道」の途中にある島です。呉市の南東にある川尻町南部の安芸灘大橋を先頭に、下蒲刈島・上蒲刈島・豊島・大崎下島を通って、愛媛県今治市の岡村島までを結ぶ「安芸灘とびしま海道」は、景色が大変すばらしく、ドライブやサイクリングのコースとしても人気があります。そんな場所でしたので、1時間半かかる現場までの道中もドライブのようで、楽しく通わせてもらいました^^ 末永く大切にお参りいただけますと嬉しく思います。ありがとうございました。

 

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