竹原市高崎町にて、土圧でゆがんだ玉垣の修復工事を行いました

三原市・竹原市を中心にお墓のお仕事をさせていただいております、安芸石材の倉橋です。今回は、歪んだ玉垣の修復工事をさせていただきましたのでご紹介いたします!

 

竹原市高崎町 神社の玉垣修復工事

 

今回玉垣の修復をさせていただいたのは、地元竹原市高崎の神社様です。地域の氏神様で私の住まいも近く、ご縁あって修復工事のお声かけをいただきました。

 

こちらは修復前の状態です。手前から奥の大柱まで、本来は直線上に並んでいないといけないのですが、このように横から見ると長年の土圧でゆがんでしまっているのが分かります。玉垣は、舞台石という台座の石の上に小柱が設置されており、舞台石の下には間知石(石垣部分)があるのですが、内側の土が押してしまって、その間知石から動いている状態でした。

 

今回は、ずれてしまっている間知石(石垣)部分からすべて修復することになりました。そのため、上の小柱と舞台石を一旦取り外しました。どのくらい前に作られた玉垣かはっきりとは分かりませんでしたが、おそらく私が生まれる前、何十年も前に作られたのではないかと思われます。

 

小柱と舞台石、途中の大柱も取り外しました。中央あたりの間知石が外側にずれてしまっているのがよく見えます。内側の土を掘ってこの部分を修復したあと、再度玉垣を設置する工事を行います。

 

取り外した小柱は、再度設置するときのために番号を振って整理し、保管しておきます。

 

間知石の内側の土を掘って、修復を始めます。間知石を傷つけないよう、慎重に進めます。

 

土を掘ったら、間知石の背側に糸を張って直線を出します。ここに合わせて石を据え直します。

 

直線の糸に合わせて石を据え直したら、内側に木枠を組んで、このようにコンクリートを打ちました。こうすることで、土圧を受けても石が動かないようにします。間知石は、現在よく見られるものは裏面が三角形にとがった形をしていますが、今回の間知石は昔手作りで職人さんが作ったものだからか、こういった不揃いな形状でした。気温の高い日だったので数日間養生してしっかりコンクリートが固まったら、石の据え直しを開始します。

 

コンクリートでしっかり補強した間知石の上に、まずは大柱と一番下の舞台石を設置、その後小柱を据えてその上に笠石を設置して完成です!

 

印のように、間知石と舞台石の隙間にもセメントをしっかり充填して補強、くぼんだところには掘り出した土を戻してきれいに仕上げました。

 

横から見たところです。まっすぐきちんと据え直されています。コンクリートで補強もしているので、またずれてゆがんでしまう心配もありません。

 

経年の風合いはそのまま残した、自然なままの仕上がりです。総代さんにも、「きれいになった」と喜んでいただけました。これからも地域の皆様に安全に気持ちよくお参りいただけるよう、何かお手伝いできることがあればまたお声かけくださいませ。

今回お世話になった神社様は私の住まいからとても近く、歩いて行けるほどご近所にあります。秋祭りなどの行事の際は、当番で清掃したり幟を立てたり、地元の方々の手で守られている地域に密着した神社様で、私も子どもの頃、よくここで遊んだり虫取りをしたりした思い出があります。そんな場所なので、実は以前から玉垣の歪みは気になっていました。今回修復工事の機会をいただくことができ、お手伝いができてうれしかったです。ありがとうございました。